昭和レトロ放浪記

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北海道

【北海道・渡島半島】駒ケ岳に抱かれた哀愁の「森町砂原」を歩く

【北海道・渡島半島】駒ケ岳に抱かれた哀愁の「森町砂原」を歩く

北海道を旅行中に、何の目的もなく訪れた北海道茅部郡森町砂原。
特にこれと言って驚きもきらめきも感じない町だったが、
私は漁師町の渋い昭和の雰囲気に魅力を感じた。

観光地として売り出していない、何気ない町が好きだ。
「渡島砂原駅(おしまさわら駅)」周辺をレポートしてみる。

・本記事は、2018年6月に訪れた情報を元に作成しています

町を見守る駒ケ岳

森町砂原の町に到着して、車をおりた。
後ろを振り向くと、大いなる山に見られている事に気付いた。
「駒ケ岳」である。
1929年(昭和4年)には、噴煙が14,000mにも及ぶ大噴火が起こり、以降も小規模な噴火を繰り返している活火山だ。

道の駅に車を停めた私は、そのまま北にある「内浦湾」へ向かう。
海岸沿いには球型の穴の空いた消波ブロックがあった。
こんな形のテトラポットは見た事が無い。

視線を北へ向けると、夕暮れの向こうの大陸に、形の整った山が見えた。
蝦夷富士とも呼ばれる「羊蹄山」である。美しい。

北の国の家々

北海道全体に言える事だが、家々は大きくてがっちりした印象がある。
この森町は北海道の中でも温暖な場所らしく、積雪もそれほどではないらしい。


雪に重みに耐えきれなかったのか、崩壊して野ざらしにされたままの廃墟も数件見かけた。

散髪屋を見つけた。「理容 アンドウ」
建物は古いが、手入れが行き届いているところを見ると現役で営業しているようだ。
時が止まったような建物だ。

道の駅「つど〜る・プラザ・さわら」から最寄り駅の「渡島砂原駅」まで歩いてみる事にした。

街を歩く人はほとんどおらず、時々車が5分から10分に一度すれ違う。
観光地でも無い場所で歩いていると、もの珍しいのだろう運転席から身を乗り出して皆、私を凝視してくる。
不審人物で申し訳ない。

哀愁の無人駅「渡島砂原駅」

約30分ほど国道沿いを東へ向けて歩いていると、大きく開けた土地にぽつんと木造の長屋を見つけた。

渡島砂原駅(おしまさわらえき)に到着した。

「ガラガラガラ!」と、思いの外大きな音を立てて引き戸を開けた。
室内はたくさんの照明のおかげで明るく、カラフルなベンチが15脚ほど置かれていた。

右の視界に黒い何かが写る。
視線をやると60代ほどの男が寝ていた。
男は寝ている態勢から顔だけをこちらに向けて一瞥をくれると、また眠りについた。

19時を過ぎた無人駅に、人が居ると思っていなかった私は肝を冷やした。
寝ている邪魔をしてはいけないと、駅を抜けてホームに入る。
駅舎内の写真を撮りたかった。

ホームは鬱蒼とした森に囲まれていて、人影はない。

函館から小樽を結ぶ、函館本線。
長万部方面は、1日5本。函館方面は、1日7本の電車が通る。

完全に日が暮れる前に帰る事にする。

森町砂原という町

なんの目的もなく訪れた「森町砂原」。
海岸沿いに沢山の漁船を目にしたので、漁業が盛んな町なのだろう。
日々どんな生活を営んでいるのだろう。
昔から変わらない事、変わった事は何だろう。

夕方の人通りの少ない時間帯に訪れたからか、町には寂しい雰囲気が漂っていた。
機会あれば、昼間の明るい「森町砂原」を訪れてみたい。

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