昭和レトロ放浪記

古い街並み・純喫茶・ノスタルジーな世界を求めて

古い町並み

【温泉津(ゆのつ)】昭和と大正浪漫の情緒が濃縮された温泉街と閉じた老舗旅館

【温泉津(ゆのつ)】昭和と大正浪漫の情緒が濃縮された温泉街と閉じた老舗旅館

17世紀初頭、世界の3分の1の銀を輸出していた日本。
その銀のほとんどが『石見銀山』から採れたものだった。
銀は山からおろされて、港町『湯泉津(ゆのつ)』へ運ばれる。
そこは、古き良き温泉街であった。

営業しているのかいないのかわからない喫茶店。
昭和の時代を歩いているような温泉街。
古い家屋をそのまま利用したカフェや温泉。

国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された、1300年の歴史ある湯治場『湯泉津』の旅行記をお送りしたい。

世界遺産「石見銀山」の近くに湯泉津(ゆのつ)はある

わたしは世界遺産に指定されている「石見銀山」を観光の目的に訪れていた。
1526年に発見されて以降、銀の採掘が行われ、最盛期には35トンもの銀を採掘し、2万人(日本の人口は当時3千万人)を超える人々が山奥に暮らしていた。

石見銀山でとれた銀は、山道をくだり港町「鞆ケ浦」「湯泉津」へ運ばれ、アジアやヨーロッパへ輸出されていた。

世界遺産に登録されている「石見銀山」の街並み

山陰本線「温泉津駅」から町歩きをスタート

石見銀山の観光を終えて、博物館の情報から港町「湯泉津」に興味を抱いた私は、現地へ訪れる事にした。

湯泉津の町歩きは、JR山陰本線「温泉津駅」からスタートする。
駅舎は昭和レトロ感が微塵もなく残念である。
2004年に新しくなったが、それ以前の旧駅舎も調べたところレトロ感は皆無だった

さっそく駅前に、渋いおみやげ屋さん「つやま」を発見。かろうじて営業しているだろうか、よくわからない。

左手に、湯泉津の入り口を示す大きな門が見える。
「いらっしゃいませ 湯泉津温泉」
大きさ、フォントが素晴らしい。いらっしゃいました。

「TOBACCO」と書かれた、たばこ屋さん。
下側の波を打つタイルが可愛らしい。

丸窓が美しい料亭のような建物が見えた。

喫茶いこい」「旅館 高見屋」の文字。
営業しているのかは定かではない。観光地の平日昼間の時間帯では人がまばらなのも無理はないか。


駅を出て左へまっすぐに歩いた突き当たり、T字路にさしかかる角地に「総合スーパー ゆのかわ」がある。営業しているかは不明。
2階部分、板張りの外壁が渋くて美しい。

角を曲がり、来た道を振り返る。
左手に見える「ゆのつ市場」は、絶賛営業中。

激渋な建物に出会った。醸造所である。
「若林酒造有限会社・清酒 開春」
HPもあり、現在も稼働している。
http://www.kaishun.co.jp/top.htm

湯泉津湾

海へ突き当たった。

湯泉津湾は、リアス式海岸で奥まった入江になっており、波の影響を受けにくく水深も深かった為、天然の良港として栄えた。

湯泉津メインストリート

駅から歩いた通りは、なかなかのレトロ感を出していたが、ここからが本番。
湯泉津のメインストリートを歩いてみる。

天然温泉 薬師湯

遠く遠方からも入りにくるという有名な天然温泉「薬師湯」。源泉かけ流し。
温度を薄める事なく100%の純度の湯が湯船に注ぎ込んでいる。
残念ながら私は、時間がなく入る事ができなかった。

旧館は木造洋館。
大正8年(1919年)に建てられた貴重な建築。
建物内はギャラリーとカフェとして営業している。
👉震湯カフェ内蔵丞

湯泉津温泉・元湯(もとゆ)

1300年の歴史がある、元湯。
熱め、ぬるめ、座り湯に湯船が分けられていて、内部もかなり昭和レトロらしい。
が、ここも時間の関係で入らなかった。惜しい。

長命館

元湯直営の旅館「長命館」。
明治2年に2階建ての本館。大正12年に3階建ての別館が建てられた。
残念ながら2018年末に閉館してしまった模様。

私が湯泉津を訪れたのが、2018年10月。この撮影時はまだ営業していたのだ。内部を撮影しておきたかった。
在りし日のブログを見つけたので、参考にご覧いただきたい。
👉元島根県民のお部屋
👉ひなびた温泉研究所

情緒あふれる湯泉津のストリート

ひととおりメインスポットを紹介できたので、ここからは湯泉津の情緒豊かなストリートスナップをお送りしたい。





湯泉津の旅を振り返る

私は湯泉津という街の存在を知らなかった。
石見銀山を旅している中で偶然知り、訪れた場所であった。

人がいない寂しい雰囲気を感じたが、建物や看板が放つ空気感は、昭和レトロ、いや大正浪漫がにじみ出て、わたしの興奮はおさまらなかった。
惜しかったのは「長命館」。
あの建物の存在を知っていれば、宿泊なり内部の撮影なりをしたはずなのだから。
古き良き建物は、いつまで存在しているかわからない。
刻一刻と店を閉じ、壊されていく。

できる限り、その瞬間を収めるべく記録に残していきたい。

おしまい

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